同人活動から商業出版までの道のり〜サンキューマイフレンズ〜

イエーーーーーーイ!!!!!!本が!!!!!出るよ!!!!!!祝!同人活動10周年!!!!

念願の商業出版ダァ〜〜〜〜ッあッ〜〜〜〜〜!ぴーすぴーす!みんな元気?今日あったかいね!

さて商業出版めっちゃめでたいし、私的には超すごいこと何だけど、自分一人でここにこれたわけじゃないよな〜〜〜

ということで改めて私の同人作家としての歴史を振り返り各方面に感謝を述べていきたい。

名付けて「商業出版ありがとう大感謝祭!!!!!」イエア!!

まずは書籍のリンク貼っておきますペタ

www.amazon.co.jp

商業出版を目指している方に向けては何も参考にならないかもしれない。ごめんなさい。

あと技術書ということで漫画や小説とはまた少し毛色が違う気もしますね。ご了承ください。

本を書き始めてからのスケジュール感とかペースとか辛かったことあれこれなど他の人の参考になりそうなことはまた別に書きます。

ということで目次!

腐っていた新人時代とコミティア初参加

私の同人活動は主に2つあって、1つはフィクション/エッセイ漫画、もう1つは技術系の漫画を描くことです。最初から両方やっていたわけではなく、フィクション漫画を描くというところがスタートでした。

新卒でソフトウェアエンジニアとして配属された私でしたが、当時OJTの先輩が非常に忙しく、ほぼ放置されていました。

放置されていて毎日定時上がりするしかない私でしたが、さすがにこのままではヤバイと思い、業務で扱うJavaという言語について勉強をし始めます。

当時C言語で簡単なプログラミングしかしたことがなかったので、まずオブジェクト指向が全くわからない。

ということで「オブジェクト指向を絶対に理解できる!」という趣旨の書籍(ネガキャンになりそうなのであえて正式な書籍名を書きません)を購入して読んだのですが、「絶対にオブジェクト指向を理解できない私」VS「絶対にオブジェクト指向を理解できる書籍」の矛楯の結果、あおいWIN!

全く嬉しくない勝利でしたが、本当に本当にどんなに本を読み込もうとしても理解ができませんでした。

今振り返ると、この書籍が私にあっていなかっただけだと思います。

最近気づいたのですが、私はどうやら

  • 文字だけだと理解が進まない

  • 手を動かさないと理解が進まない

というタイプのようで、手に取った本はこの2つのどちらを満たすものではなかったように思います。

そんなことを知らない私はオブジェクト指向が理解できずに絶望し、会社に言われて受けた基本情報は落ちるし(その後受けた応用情報は受かった!!)、エンジニア向いてないのでは…とショックを受けます。

更には社会に出ると今までの環境とはガラッと変わり、今まで当たり前に過ごしていた考え方ややり方が「変」であったり「普通はこうする」ということに馴染めなかったり、とにかくオンでもオフでも苦しい状況が続くようになりました。

そんな苦しい中、自分の怒りやもやもやを消化するためにおとうふくんという白い猫型妖精(そう、おとうふくんは猫ではないのだ!)を主役にした4コマ漫画を描き始めます。

おとうふくんを描いているうちに、友人たちと「コミティアに出ないか」という話で盛り上がります。「コミティアとはプロ・アマを問わないマンガ描きたちが自主出版した本を発表・販売する展示即売会です。(COMITIA)」

友人たちと何度かコミティアに足を運んで同人誌を買ったことはあるものの、友人含めてみんな同人誌をつくるのも売るのもはじめて。それでもやってみようと思えたのはその時サークルを組んでくれた友人たちのおかげです。あの時の第一歩が今につながっていると思う〜ありがとうMy Friends〜。

初めての同人誌作り、わからないことだらけだし、そもそも当時お金があまりなく、選んだのは「セブンのコピー機でなんとかする」。 真夜中に...セブンに行き...ガーガーコピー機を回し...家に帰ってホッチキスでとじる...

本を自分でつくる大変さを味わいました。まず印刷の順番とかね、中で閉じようと思うと完成図を理解してからじゃないと「あれ!?なんでここにこのページが!?」ってなるわけでね...あと中綴じの難しさよ。ダンボールを下に敷いて上からホッチキスを差し込み...長くなるので以下省略。

とにかく頑張って大変な思いをして作った同人誌、コピー本、売れたのは確か1冊だった気がします。1冊でも嬉しかった。でも1冊だと悔しかった。

手元に残っている同人誌たち。手前が最新作で、フルデジタル。昔は半アナログだった

技術者コミュニティでの出会いと技術書典初参加

1冊で悔しい思いをしたものの、サークルの仲間にほめてもらったり、友達にあおいちゃんの漫画好きだよと言ってもらったりで細々と同人活動を続けます。いつも本を読んでくれる友達ありがとう〜大感謝 My Friends〜

仕事もだんだんできるようにはなったものの、毎日エクセルと格闘する日々が続き、「このままでいいのか!?おい!おれのきんにく!!!どっちなんだい!?」って感じでもやもやする日々が続きます。

そんなときにたまたま見つけた技術者のコミュニティに出入りすることでちょっとずつ新しい技術やエンジニアとしての自我が芽生えてきます。また、会社で技術書の輪読会をしていくなかで最初に開いた私と技術書の距離はまたちょっとずつ縮まっていたタイミングでした。

出入りしていた技術者コミュニティの中でいつしか「技術書典が面白い」という話をよく耳にするようになりました。どうやら「技術系の同人誌」という分野の同人誌があるらしい。そしてその同人誌の頒布会が池袋で大盛り上がりしているらしい。

ご紹介遅れましたが私逆張りオタクをいつしか卒業し、大のミーハー侍にあいなりましたあおいと申します。同人誌で、大盛り上がりだと!?コミティアでは1冊売れるか売れないかというのが当たり前の世界の中!?相当盛り上がるらしい!?と聞いて参加せざるをえません。

しかし同人誌の作り方はわかるけれど、技術同人誌は作ったことがない。「漫画ならウケるんじゃない?」と言われても、自分で書けるものがあるのだろうか...と思い、自分がはじめて技術書を読んだ時のことを思い返しました。絶対にわかるオブジェクト指向が絶対にわからなかったときを思い出しながら、「あのときの私が欲しかった本」を作ろう、と思い至ります。そして最近勉強している「Kubernetes」が「全然わからない」ときの自分に向けて本をかこう、そんな思い出技術同人誌を作り始めます。

とにかく漫画はテンション高めにしようと思っていました

書籍執筆に関わってくれた初代同人誌監修@_inductor_氏!!!!!彼のおかげで初の同人誌「まんがではじめるKubernetes」を書き上げることができました。サークル名「おとうふ工房」を考えてくれたり、タイトル「まんがではじめるXXX」も考えてくれたり、今も良き友人として改めて感謝申し上げます。センキューフォーザピーポー。

そしてこの同人誌の表紙を描いてくれた大学時代からの友人にも感謝。この後に続く同人誌も含めてずっと彼女に表紙を依頼しているのですが、本当デザインの力ってすごいなと思います。専門的なことは何もわからないのですが、でもあの表紙が抜群にかわいいのはまちがいないしあの表紙で本の魅力が5000%増しになってると思うし本当に感謝!!!サンキューマイフレンズ!!!!!!

技術同人誌は作ったことがないにせよ、「同人誌を作ったことがある」というのは私にとってとても大きな心の支えでした。自分が経験あることにちょっとだけプラスアルファすれば実現できそう。コミティアでの経験は確実に活きていました。

Kubernetes関連の日本語の書籍がまだ少なかった頃だったからか、初版は300部が午前中で完売するという快挙!!!!!!!!あれは本当にすごかった。なんか嵐みたいだった。

そんな嵐の技術書典、私は色々やらかしたりしており、売り子の方や技術書典の方には大変ごめいわくを....🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇技術書典の運営の方には頭があがりません。サンキュー...じゃなくていつもすみません...

これまでの技術同人誌たち。表紙の統一感と色のバリエーションがかわいい

「わたしがエンジニアになるまで」の一大ムーブメントからCodeZine連載まで

技術書典での成功体験で同人活動で調子に乗り始めた頃、コロナが訪れます。全てが止まった。私のやる気も無くなった。毎日力を持て余し、眠れず、夜を徘徊し、音楽を聴きながら朝を迎える。死んだようにPCの前に座り、死んだ目で仕事をして、プライベートとの境目もわからず、人気のない道を夜にまた徘徊する。そんな日々が続きました。

同人活動どころか生きる気力も湧かないような日々。コロナ禍直前でつくった「まんがではじめるKubernetes 2」。直接人々に手渡しすることができず。描きたいことはもう描き切ったな、私の技術同人活動はもう終わりだな、そう思っていました。

そんな中私を救ってくれたのがWomen Who Go Tokyo(WWGT)というコミュニティです。実はこのコミュニティ、コロナ禍前に参加したいと思いつつ参加できていなかったのですが、Vimコミュニティの関係でWWGTの@micchiebearさんとは知り合いでした。

コロナ禍でDiscordを利用したKubernetesのコードリーディング会、そしてWWGTの皆さんと作った合同誌。特に合同誌は「コロナ禍でも技術書典を開催しようとしてくれる運営に何かを還元したい、でも1人ではもうかけない」という私にとっては非常にありがたい機会でした。サンキューWWGTのピーポー。WWGTに対する感謝を語り始めたらキリがないですが、Discord非常に助かっています。Discordではあるのですが、割と非同期なことも多く、「朝活こんなことしたよ」と報告するだけのチャンネルは今回の商業誌を執筆するにあたりモチベーション維持のために重宝していました。しかも非同期でも反応が返ってくるあったけえコミュニティ...めっちゃ感謝...

WWGTにお世話になりながらちょっとずつコロナ禍での過ごし方も慣れてきて、私の心も回復してきた頃、「1人の女性がエンジニアになるまで|wiroha」というブログが投稿されます。このブログは一大ムーブメントを起こしました。女性エンジニアのみなさんが次々と「自分が女性エンジニアになるまで」を投稿し始めたのです。

コロナ禍前から女性エンジニアを増やすために何かできないかな〜と考えていた私にとってとても衝撃でした。1つのブログの投稿で、人々がこんなにもエンパワメントされている.......!!!!!!!このとき@wirohaさんからは、アウトプットを出すことが人々を勇気づけることにつながりうるということを学びました。(余談ですがこのムーブメントに感銘をうけて@chaspyさんとwomeneng.jpというサイトを立ち上げます)

人は時として「誰かのため」という大義名分をかかげることでモチベートされるようです。この時私はとにかく「なにかできないか」と盛り上がっていました。そんな2021年の後半、Developers Summitを開催している翔泳社が「Women Developers Summit」という新たなイベントを立ち上げること、そして公募を受け付けている旨告知がありました。

ビッグウェーブが来ている.........!!!!!!盛り上げるしかない.....!!!!!!!!」

イベントを盛り上げる第一はまず参加すること、そして最も早い参加方法は「公募に応募する」こと。自分が採用されるかどうかに関わらず、とにかく盛り上げたい、そう思っていました。しかし「何で応募すれば良いのだろうか?」と悩んでいたとき、技術同人誌のことを思い出します。

「さすがにプレゼンで漫画を使うことはできないけれど、紙芝居ならいけるのでは...!?」

ということで公募に採択され、誕生したこちらのスライド。

speakerdeck.com

おとうふくん、かわいいぜ...

この発表が好評だったことをきっかけにCodeZineでの連載が決まり、そして今回の書籍出版に至ったという次第でした。

こうかくとDevelopers Summitから書籍出版までトントンだったかに見えるかもしれませんが、これまでの同人活動があったから私は自信を持って書籍執筆に取りかかれたと思っています。そして同人活動を続けられたのは、ひとえに周りの人の熱い声援やサポートがあったからです。大感謝。そしてもちろん書籍執筆にあたってもレビューしていただいた方、心の癒しとなった犬たち、犬たちとの生活を支えてくれたパートナー、みなさまに感謝...

改めて振り返ると、ずっと誰かにモチベートされ、誰かに助けてもらってここまで来たのだなと思います。ずっと誰かに助けてきてもらったおかげで出せた本が、多くの誰かの助けになるといいなと思います。まじで!ほんと!!